/pic/40/tmb/20120313073001.jpg 当社には、既に賃貸住宅のオーナーとなっている方もよく相談に訪れます。
皆さんの話を聞くたびに、この業界のレベルの低さと問題の大きさに失望するような思いです。
 アパートやマンションは使い捨ての商品ではありません。
それにもかかわらず、使い捨てタイプのアパートやマンションが今もどこかでたくさん建てられています。

 アパートやマンションのオーナーになる方は、通常金融機関で30年ほどのローンを組みます。
30年間は、家賃収入から金融機関への返済額を引いた残りが手取りの収入となるわけです。

 30年後には借金から開放され、全額自分の収入となります。
そこからが賃貸住宅のオーナーとなった喜びを一番味わえる時期です。
全額自分の収入となれば、一部屋や二部屋空室が出ても怖くはありません。
オーナーとなるからには、その喜びを享受できなければ意味がないでしょう。

 ところが、プレハブを売っている大手メーカーには、築17年か18年たった頃に、オーナーの元を訪れて「古くなってきたから、そろそろ建て替えましょう」と話を持ちかける営業マニュアルがあるそうです。

 こんな馬鹿げた話はありません。
30年ローンを払い終えないうちに、また借金して建て直さなければならないのですから。

 このペースでいけば、いったい、いつになればオーナーは借金のない真のオーナーとしての喜びを得られるのでしょうか?

 一生をローンの支払いで終えるようなものです。

 プレハブや鉄骨は、築年数が建てば建つほど外観も内部もボロボロになります。
はっきり言って、30年も持ちません。
万一持ったとしても、莫大な外装や屋根の修繕費、給排水の補修費がかかります。

 つまり、30年で借金して建てても、15年で建物が悪くなり、空室になってしまうのです。
これはもはや商品と呼べるレベルではありません。

 建て替えなければ入居者が入らずに家賃収入を得られない。
かといって、建て替えると多額の建築費用を支払わなければならない。
オーナーはどちらに転んでも借金から逃げられない苦しい選択を迫られるわけです。

 そんな馬鹿げた話でも、一流の大会社の営業マンから説明を受け、時には所長から熱心に口説かれると、「そんなにプレハブや鉄骨はいいものなのか」と信用してしまうのです。

 一方、コンクリートが50年も100年も持つのは世界各地で立証済みです。

 私が住んでいる四日市の市役所はコンクリート造で、築29年になります。
三重県の県庁舎は築37年たちますが、両者とも建て替えの予定などありません。
どこも悪くなっていないのですから、当然です。
これがプレハブや鉄骨で市役所や県庁舎を建てていたら、15年から20年ごとに建て替えるという、税金の無駄遣いをするはめになっていたでしょう。
この建物はこの先、20年後も30年後も今のまま使い続けているのは間違いありません。
公共の建物は、20年や30年で悪くなってしまうプレハブや鉄骨では、全国的に1件も建てられていないのです。
また、そうあるべきなのです。

 最近は建築業界のモラルが落ちていて、コンクリートを水で薄めて使い、築1年経つか経たないうちにひび割れてくる欠陥マンションもありますが、きちんとした工法で使えば、これほど丈夫な素材はありません。

 コンクリートのアパートやマンションは一度建てたら建て替えの心配をしなくて済みます。
30年ローンを払い終えたら、全額家賃収入が自分のものとなると保証されているのです。

 そもそも、本来の住宅建設は100年耐用のものを目指すべきであり、20年も経たないうちに建て替えるような物件は「住宅」とは呼べない代物です。
建て替えとなると、工事費などは家賃に反映されます。
結局、しわ寄せは入居者に来るのです。

 目先の利益を考えてプレハブの軽量鉄骨に飛びつくのか、アパート会社の重量鉄骨にするのか、50年、100年先を見越してコンクリートを選ぶのか、選択する時点で既に結果は出ています。
これからオーナーになる人は、よくよく選んでから物件を建てて下さい。
法定耐用年数という国が決めている税金上の建物の耐用年数を参考にすれば間違いはありません。
コンクリートは47年、重量鉄骨は34年、木造は22年、軽量鉄骨のプレハブは19年です。
一目瞭然です。

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久保川 議道

久保川 議道
(くぼかわ よしみち)


アサヒグローバルホーム株式会社 取締役会長
ゴールドトラスト株式会社 取締役会長
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