/pic/40/tmb/20121017081840.jpg 先日、知り合いの不動産コンサルタントの先生からこんな話を聞きました。
先生が住んでいる東京の中央線沿線のとある駅前は、青空駐車場が不自然なぐらいに多いそうです。
青空駐車場は設備投資が小額で済み、管理も楽なので地主さんが真っ先に考える土地活用法です。
都心部の駅前なら駐車場を利用する人も多く、毎月相当な額の駐車場料金を手に入れることが出来るでしょう。
もしかすると、地主さんは子供に相続するときのことを考え、土地のまま残しておこうとしているのかもしれませんし、相続税を土地で物納したいと考えているのかもしれません。

 ところがある日、青空駐車場だったところに、大きなマンションが建ちました。
それを皮切りに、次々と駐車場はアパートやマンションに姿を変えていったのです。

 その理由がお分かりですか?
 不動産に詳しい人は、青空駐車場は賢明な土地活用法ではないことを分かっています。
なぜなら、駐車場経営には、税制上の優遇措置がほとんどないからです。
相続税や贈与税では、評価額の高い更地としての評価となります。
固定資産税でも、青空駐車場は特例が認められていません。

 恐らく、青空駐車場の地主さんの誰かが亡くなり、家に莫大な相続税の請求が来たのを、他の地主さんが聞きつけたのでしょう。
そこで慌てて、マンションやアパートを建てて土地の評価額を下げる対策を取り始めたのです。

 この件に象徴されるように、地主の皆さんは節税対策で頭を悩ませている割には、重要なポイントを知りません。土地の評価額は、建物が建っているのか、更地なのかによって、大きく違います。

一般的に、相続税を軽減するには、次の3つの方法があります。

相続財産の額を小さくする


 当たり前ですが、相続財産の金額が少なければ少ないほど、それにかかる相続税も少なくなります。
とはいえ、亡くなる前に豪遊して財産を使い果たすわけにもいかないでしょうし、出来るだけ多くの財産を子供に残して受け継ぎたいと考えるのは親として当然です。

 財産を減らすことなく、相続額を小さくする方法はないのでしょうか。
実は、そんなマジックのような方法が存在します。
財産を減らすどころか財産を増やして、なおかつ相続税をほとんど支払わなくて
もいい方法があります。
それについては後述します。

養子縁組をする


 たとえば、二人兄弟でお母さんがすでに亡くなっていて、その後に10億円の財産のあるお父さんが亡くなってしまうと、5億円ずつ二人の兄弟で分けることになるので、相続税は50%ぐらいかかります。
せっかくの財産が50%しか手元に残らないとは、むなしい話です。

 そこで、子供を増やしたらどうなるのでしょう。
3人の子供で3億万円ずつ相続すると、税金は40%になります。
一人当たりの取り分か少なくなれば、それにかかる税金も少なくなるという単純な計算です。

 こういう点を考慮して、養子縁組をする人も現実にいます。
ただし、税務上で認めているのは、実子がいない場合は2人、いる場合は1人までです。
法律的には何人でも養子を取っていいことになっていますが、これを許すと税務署が税金を取れなくなるので、人数を限定しているのです。

 信頼できる人がまわりにいるのなら養子になってもらうのも1つの手ですが、私がいつもアドバイスする大切なポイントは名字が変わらないようにするとスムーズに縁組みできます。
たとえば息子の奥さんや、息子の長男などをお父さんの養子にすればいいのです。これだと誰も知らない間に縁組みが行えます。

負の財産・借金をつくる


 事業は無借金経営であるのが理想的です。
とくに日本の金融機関は、融資を受ける際に建物と土地を担保に入れさせ、さらに別担保として自宅を入れさせて、さらに連帯保証人という人的担保までとります。
もし返済が滞ったときは、担保をとられ、自宅をとられ、さらに連帯保証人の財産まで狙われるのです。

 これを考えると、自分から積極的に借金をしようとは思わないのは当然のことです。
しかし、アパート・マンション経営においては、借金による負の財産を逆手に取れば相続税対策になると、長い間正しいこととして信じられてきました。
大手プレハブ会社や大手アパート会社の営業マンが相続税対策のために借金しましょうと言うので、その言葉通り地主さんは借金をしていました。

 父親が亡くなって子供が相続した時点で不動産のローンが残っていると、そのまま借金も引き継ぐことになります。
債務の分を割り引いて税金申告できるので、相続税の対象となる財産評価額が少なくなるわけです。

 バブル期は、銀行がこのシステムを強調して、「相続税対策のためにマンションを建てたほうがいいですよ」と多くの地主さんに声をかけ、地主さんも素直にそれに従っていました。
ところが、地価が大暴落してもローンの総額が変わらず、土地建物の本当の価格以上のローンを払い続けることになったので、地主は過大な借金を抱える事態になってしまったのです。

 バブル期の土地価格の高騰が異常だったということを差し引いても、今でも相続税対策のためだけに、安易に多額の借金をして、アパート・マンションの建築をするのは賛成しかねます。

 賃貸経営をするときにはローンを組まないのは現実問題として不可能ですが、保証人も別担保も必要のない借り入れ方法を選び、一日も早く借金を返してしまうことを目標に経営されることが得策です。

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久保川 議道

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(くぼかわ よしみち)


アサヒグローバルホーム株式会社 取締役会長
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