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1-1「空木岳」って、“空しさ響く山”?
「空木岳(うつぎだけ)」について、どんなイメージを想像されるででしょうか?
空木=うつろぎ。中が空洞になった(空の:から)木。
虚しい(空しい)イメージ。
私には、ずっとそんな「むなしさの響く山」が頭から離れませんでした。
◎深田久弥の「日本百名山」には、「空木岳」にこんな記述があります。
「中央アルプスの北半分に主峰駒ヶ岳があって、多くの登山者で賑わうが、南半分を訪れる人はぐっと少なくなる。その南半分の最高峰が空木岳である。登山者というロマンチストは美しい山の名に惹かれる。心の中にまだ訪れたことのない、しかしその美しい名前だけは深く刻まれている。
私にとって、空木岳はその一つであった。」
空木岳
深田久弥は、「空木」は落葉樹の「ウツギ」から来た名ではないか、と書いています。もちろん、3,000m近い山に、そんな木が生えている訳がありませんが、その由来には次の節があります。
(1)「空木岳」の名は、春に麓の伊那谷から見上げた時、空木岳の頂上だけ雪が残っているのが見え、その残雪模様が卯木(ウツギ)に似ているため。
(2)山の麓にウツギの木が多いため。
ウツギの花
日本百名山の山々を順次登り続け、ついに私に、「空木岳」の順番が来ました。
空木岳への登山ルートが数多くある中で、私が選んだのは、
駒ヶ岳ロープウエイで千畳敷に行き、
極楽平→濁沢大峰→檜尾岳→熊沢岳→東川岳を経て空木岳に登頂し、駒ケ池へ下るコースです。YAMAPの平均タイムで計15時間です。
1-2 駒ヶ岳ロープウェイで千畳敷へ
6:40 「しらび平」から駒ヶ岳ロープウエイにのる
駒ヶ岳ロープウエイは、始発の「しらび平」駅に乗り、「千畳敷」駅で降ります。
出発時間は6:00始発。以後、6:30、7:00,7:30・・・と30分毎に出発し、
最終が17:00です。
但し、7~8月の混雑時は、順次、出発時間を早めてくれますので、電話確認が必要です。
6:50 「千畳敷」に立つ
ロープウエイの千畳敷駅に到着です。
駅の外に出ると、中央アルプスが良く見えます。良い天気です。スマホの動画に撮ります。
「中央アルプス」の山々
人々で賑わう「千畳敷」
目の前に「宝剣岳」が!
今日は天気が良いので、中央アルプスが良く見えます。
目の前が「宝剣岳」です。
7月下旬という時期(高山植物の見頃、学校・職場の休暇)だけに、登山客が沢山来ています。多くは、千畳敷カールの観光や木曽駒ヶ岳登山です。
私みたいに、空木岳登山が目的のお客さんが極めて少数であることは、後で知ることになります。
1-3 「極楽平」へ向け登山開始
7:30 「千畳敷」から登山開始(標高:2,612m)
千畳敷から、宝剣岳を右に見ながら、「極楽平」に向かって出発です。
千畳敷からへの木曽駒ケ岳に登る人は、多くは、千畳敷カール→「宝剣山荘」「天狗荘」→中岳→木曽駒ケ岳 を目指します。少数の「本格派」は、カールではなく「極楽平」から宝剣岳登山→中岳→木曽駒ケ岳へ向かいます。
「宝剣岳」を右に見ながら、「極楽平」を目指す登山道には、登山客が沢山歩いているのが分かります。(上の写真)
しばらく歩くと、駒ヶ岳ロープウエイの千畳敷駅が小さく見えます。(上の写真)
8:00 「極楽平」に到着
極楽平に着くと、10人程の登山客が休憩していましたが、その多くが「宝剣岳」方向に歩き出しました。
そして、残った私は、一人で、彼らとは逆方向の「空木岳」方面に歩き出すとこになるのです。
上記、深田久弥「日本百名山」に書かれた「北半分に主峰駒ヶ岳があって、多くの登山者で賑わうが、南半分を訪れる人はぐっと少なくなる。」という状況が、まさに目の前に訪れた瞬間でした。
「檜尾岳」「空木岳」方面への登山道
1-4 途中で咲いていた花々
奇麗なチングルマが、沢山咲いていましたよ。さすが、千畳敷です。
チングルマ
ミヤマシシウド
※次回は、濁沢大峰(にごりさわ)→檜尾岳(ひのきお)→熊沢岳(くまざわ)→東川岳(ひがしかわ)を経て、木曽殿山荘へ向かいますが、途中、雨に打たれて・・。
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