優良建築物等整備事業とは、さまざまな形で行われる民間等の建築活動を適切に誘導する事により、空地等の整備による良好な市街地環境の形成を図ろうとするもので、
一定の要件を満たす優良な建築物等の整備を行う施行者に対して国・県・市が補助をするものです。
優良建築物等整備事業には「共同化タイプ」「市街地環境形成タイプ」があり、それぞれに「一般型」「住宅型」の2種類があります。
さらに区分所有者10名以上の中古マンションを建替えする時に利用可能な「マンション建替えタイプ」というのもあります。
今回はこの優良建築物等整備事業の
補助金についてご説明します。
この制度では補助対象項目が決められており、建物の建築費の全てに補助金が出る訳ではないという事に注意が必要です。
補助対象項目は、
1.調査設計計画費
(1)事業計画作成費
基本計画・資金計画・現況調査・現況測量・権利調査・調整等にかかる費用です。
(2)地盤調査費
ボーリング調査などの調査費用です。
(3)建築設計費
建物の設計にかかる費用です。
2.土地整備費
(1)建築物除去等費
建物の解体費用です。
(2)整地費
解体後の整地にかかる費用です。
(3)補償費等
解体前の既存建物を補償するなどにかかった費用です。
3.共同施設整備費
(1)空地等整備費
緑地・広場・通路などの整地・側溝・舗装や付帯設備の整備にかかる費用です。
(2)その他の施設整備費
1)駐車場
2)テレビ障害防除施設
3)立体的遊歩道等
4)防音・防振工事
5)共用通路部分
※補助対象は優良建築物等整備事業のタイプにより若干異なります。
※行政毎に要綱で補助対象を限定している場合があります。
上記の補助対象に対して
補助率は2/3です。
※行政毎に要綱で補助率を限定している場合があります。
わかり易く事例をあげて説明しますと、
中心市街地に延床面積1000坪の古いビルがあったとして、
それを解体して1000坪のマンション(4億円)を建築する場合
既存建物
解体費 5000万円
新築するマンション
設計費関係 2000万円
外廊下と階段 3000万円
エレベーター 1000万円
立体駐車場 4000万円
などが補助対象項目となるので、補助金の額は、
[補助金]=[補助対象項目の金額合計]×2/3
=(2000+5000+3000+1000+4000)×2/3 万円
=1億円
となります。
※上記はこの制度をご紹介するための概算で、行政により補助対象や補助率が異なります。
この様に中心市街地での民間の建替えに関して手厚い補助が付く事業ですので老朽化した建物をお持ちの方はご検討してみる価値があると思います。
優良建築物等整備事業のコンサルタントに関してはお気軽にご相談ください。
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