何度も言いますが、最近、目にするのが、低価格を謳った開設セミナーや、物件が多くなっています。
入居者やそのご家族からすれば、ありがたい限りかもしれない。
ただ、心配するのは「今後」です。
よくセミナーでも説明されているのが、所得層のピラミッドです。
当たり前ですが、ピラミッドは三角形ですよね。
三角形の底辺部分が一番数が多い。これも当然ですよね。
ピラミッドの頂点は数が少ないので、ここは富裕層。この層は高級有料老人ホームに任せて、一番層の厚い、底辺を狙います。
ここは月額、食事を込みにして10万円から12万円ぐらいです。と・・・・
この層は、絶対的なパイも大きいので、金額が安ければすぐに満室になります。
ですから、ここを狙わなければ失敗します。と力説する方々。
確かに・・・・
しかし、では、みんながその層を狙いに行ったらどうなるのか?
極論ですが、サービス付きの80%が10万円から12万円だったらどうなるのか?
今、格安航空が注目されていますが、では、全航空会社が羽田~沖縄間を5,250円にしたらどうなるのか?
私は同じに見えてしかたありません。
例えば10万円で入居が付かなくなったらどうしますか?
なにも考えない所は9万円、8万円と下げて行きますよね。
そうしたらそこは、「価格競争」に巻き込まれます。
そして、この先を生き残れるのか?疑問です。
価格を下げて、本当に困っている高齢者を救いたいと言うなら、
サービス付きより、グループリビングの方が現実性があります。
弊社の理念も「ひとりでも多くの高齢者に笑顔と安心を提供する」と掲げています。
その為に、5万円台で安心してくらせるグループリビングを開発しています。
まずは、ターゲットを明確にする。
どんなサービスを提供するか。
をしっかり決めて、金額設定をするべきであると考えています。
確かに、12万円以下の物件なら今はすぐに満室になるでしょう!!
しかし、この先も「勝ち続ける事ができるか」それは、疑問の他
何物でもありません。
サービス品質を高め、入居者やその家族にも喜ばれ、
職員にも誇りとやりがいを与えられ、
企業としても安定する。
その様なモデルを普及していきたいと考えています。
低価格を謳いすぎるのは「危険」です。
低価格なら何も考えずに、できてしまいます。「今は」
発想を生み出さなくなるのが一番怖いことだと言えます。
それでも、理念があり、考えがあり、低価格モデルを作って実現に向けるなら大賛成です。
低価格の根拠に42万人の特養待機者を持ち出す所は、
無知です。
まず、ターゲットを明確にして、どの様なサービスを提供するか、ブランディングはどうするか?と言う確固たる考え方を身に着ける必要があります。