新築より難しい中古再生投資


/pic/7/tmb/20110910112222.jpg 築年数が経過し陳腐化した物件は、ある程度のコストをかけて根本的に『間取り』『設備・仕様』『外観・外構』をリニューアルする必要があります。

 時代とともに、入居者のニーズは変化しますし、20年以上前の賃貸企画では、入居者が望んでいる物を的確につくっていなかったといえます。
 完成して20数年が経ち、近年の市況の悪化も相まって、ますます決まらなくなっています。しかし、1部屋当たり数百万円のコストをかける決断が、オーナーには出来ない事が多いのです。
 本当にこれだけのコストをかけて良いのか?
 そもそもこのコストは「理にかなっている」のか?
 この答えを理論的に説明できる業者がいない事にオーナーの不幸があります。

 業者も、コストをかけて根本的に物件の価値をあげなければ、入居者は戻ってはこない、絶対にこうリニューアルすべきだ、という信念や自信はあります。しかし収支バランスであるとか、投資分析という事になると、急に提案力が弱くなってしまう事が多いようです。
 結果、世の中の築20年以上の物件はますます稼働率が悪化する、もしくはただ家賃をひたすら下げ続けるのみ、という事になっています。

 実は、「リニューアル提案の投資理論」は新築提案と比べて何倍も難しいのです。新築提案は、「1億円のコストで賃貸マンションを作りましょう。営業純利益が700万円で年間借入金返済が400万円なので、キャッシュフローが300万円ですよ」という『単年度収支』で説得出来る事が多いのですが、リニューアル提案はそれくらいではオーナーは納得できません。

 何故、難しくなるのか?それは上記の説明でいうところの営業純利益にあたるものが、中古物件のリニューアルではそのまま使えません。それは、現時点で建物があるので、今の実力に応じたそれなりの賃料を取れるからです。
 「現時点で修得できる家賃」と「リニューアル後の家賃」、つまり「ビフォー」、「アフター」の「賃料の差額」が「リニューアル企画における営業純利益」になります。
 例えば、今6万円で募集している物件があるとしましょう。お風呂が『バランス釜』であったり、洗面台に給湯が来ていない、間取りも陳腐化している、となれば、決まるイメージがありませんね。すぐ決めようと思えば4万円がやっとだよ、という事であれば、その物件の真の実力は「家賃4万円」です。そして、「この物件の欠点を全部クリアするリニューアル工事」を施せば必ず7万円では決まるとします。すると、リニューアルをした事による増加分は、「7万円-4万円=3万円」になります。

 この様な考え方で、リフォームによる「営業純利益」を考えて、投資しても良いコストを計算していきます。

 次回は、具体的にリフォームコストの計算方法についてご説明していきます。

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