一昨日、SG阪神いきかた研究会を開催しました。
テーマは、「相続登記の義務化について」。
講師は、下塚賢一司法書士。
4月1日にスタートした相続登記の義務化について、
その概要と注意点などをお聞かせいただきました。
この制度、そもそもは所有者不明土地解消の一環なんです。
不動産登記簿だけでは所有者が判明しなかったり、
所有者が判明しても、その所在が不明で連絡がつかなかったり・・・
相続登記や住所変更登記がなされていないために、
所有者の探索に時間と費用がかかっちゃう。
そのために、公共事業や復旧・復興事業が円滑に進まず、
土地の価値がどんどん失われていくわけですね。
民法では、権利に関する登記は次のように定められています。
(民法第177条)
不動産に関する物権の得喪及び変更は、
登記をしなければ第三者に対抗できない。
「登記をしなければならない」ではないところがミソ。
売買で土地を手に入れた人は、
自分の権利を守るために100%所有権移転登記を行います。
ところが、自宅などは、相続登記しなくても、誰も困らない・・・
そのうち、人口減少や都心一極集中などが重なって、
自宅を相続する人がいなくなってきた。
で、対策の一つとして不動産登記法を改正。
(不動産登記法第76条の2)
相続により所有権を取得した者は、
三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。
相続の場合は、登記をしなければならないことになりました。
罰則もありますよ。
(不動産登記法第164条)
第76条の2などの規定による申請をすべき義務がある者が
正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。
ま、今すぐ慌てて動く必要はありませんが、
不動産を売却する時には必ず相続登記がついて回ります。
何かのきっかけがあったタイミングで
登記を検討なさってはいかがでしょうか?
土地家屋調査士 大阪 和田清人