2000年から介護保険制度は始まりましたが、
介護報酬は3年に一度の改定があります。2003年△2.3%、2006年△2.4%、2009年+3.1%、2012年+1.2%でしたから、9年ぶりのマイナス改定となります。しかしながら、2012年の+1.2%には介護処遇改善加算分の2%が含まれていましたから、実質はマイナス改定でした。
(image) 今年度の改定は、団塊世代が全員75歳以上になる2025年(平成37年)に向けた
「地域包括ケアシステム」の構築にあります。その為、第1テーマが「中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の更なる強化」であり、施設サービスではない「在宅生活を支援するためのサービスの充実強化であり、特に、24時間365日の在宅生活を支援する定期巡回・随時対応型訪問介護看護を始めとした包括報酬サービスの更なる機能強化を図るとあります。また、施設サービスについては、それぞれに求められる機能、例えば介護老人保健施設は在宅復帰支援機能を強化するとあります。
(image) 平成27年度の介護報酬改定においては、介護職員の処遇改善(平均12,000円改善)に+1.65%を、認知症加算・リハビリテーション実施加算等の介護サービスの充実に+0.56%を、介護老人福祉施設や通所介護等の介護報酬下げに△4.48%、トータル△2.27%としました。 具体的には、(1)
居宅介護支援は、要介護1.2は+37単位、要介護3.4.5は+47単位となりましたが、認知症加算150単位、独居高齢者加算150単位が基本報酬に包括化されましたので、実質は現状維持がややマイナスとなりました。(2)
介護保険施設では、介護老人福祉施設は△5.5%、介護老人保健施設は△2.5~3%、介護療養型医療施設は、△5.2%程度がマイナス改定でした。(3)
特定施設入居者生活介護は、△5.5%(4)
認知症対応型共同介護は、△5.7%(5)
小規模多機能型居宅介護は、要支援は大幅マイナス(要支援1△25%・要支援2△25%)、要介護も△7.7~△5.2%、同一建物居住者への訪問は更に約1割の削減となっています。(6)
看護型小規模多機能型居宅介護は、△7.5~△3.1%、同一建物居住者への訪問看護は、更に約1割削減となっています。(7)
短期入所生活介護は、単独型従来型個室で△4.5%、併設型ユニット型個室で△5.4%となっています。(8)
通所介護では、小規模型で△9.9~△9%、通常型で△5.5~4.5%、大規模I並びに大規模IIで△5.5~4.5%となり、小規模な通所介護事業者にとっては、想定通りとはいえ、大幅は運営方針の見直しが求められます。(9)
定期巡回・随時対応型訪問介護は、介護のみで△15.7~△4.5%、介護・看護で△11.5~△4%で、中重度への移行が見とれます。(10)
訪問介護は、△4~△5%程度、訪問看護は、訪問看護ステーションで△3%程度ですが、病院又は診療所は唯一プラス改訂の+2%です。(11)
集合住宅へのサービス提供は、第6章の通りの10%減算です。下記一覧表は、
区分支給限度基準額と包括制施設の比較表です。
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