(image) 世の中は『聞くと見るとでは大違い』が多いですね。 デンマークヘ社員をつれて視察に行きましたが、生の現場を見ると『目からウロコ』が10枚ぐらい落ちてしまいました。 さてデンマークの人口は531万人。消費税25%、所得税55%ですが『教育と医療と介護』は全て無料です。専門学校に通うと給料までもらえますから、18歳以上になると全員が親から独立して、アパート代や食費を払いながら学校に行けます。 しかし学生でもアルバイト収人が年間80万円を超えると、必ず税金を取られます。日本は国民の2/3が所得税を払わなくてもいい人達ですし、国民年金の未納者が50%を超えていますから、デンマークとは全く真逆の『国の政策』ですが、どう言う訳か、日本の高齢者政策だけは『デンマーク型』を目指すと政府は発表しています。 その理由は日本は世界一の超高齢社会を維持するために、今でも医療で366兆円。介護で79兆円。合計44.6兆円が使われています。それがもうすぐ60兆円になるんですね。日本政府はそれを止めたい。だからデンマーク型にしましょうと言っています。 さてその理由は、デンマークでは1986年に『高齢者施設』(プライエム)の建設を全面的に禁止しました。世界一の高福祉国家が施設の建設を一切止めて、『高齢者住宅建設』に切り替えたのは『施設』にかかる膨大な費用で、デンマークの国家財政が行き詰まったからですね。
施設での丸抱えの介護に失敗して、『住いと介護の分離』して、施設ではなく『地域居住』を原則としました。施設で何もかもお世話するより、地域に住んでいただいて、介護の必要な人にサービスをする。これでデンマークは税金を上げることなく高齢者の高福祉を実現したのです。それを日本も見習いたい訳ですね。 日本の国の施設の1人当り介護費用は、療養型で45万円、老健で30万円、特養で28万円、民間の特定で20万円です。それに比べ私などのやっているデンマーク型の『サ高住』は一人平均約8万円(訪問介護)ですから、これが一番安くていいのです。8万円でも十分に安全安心な介護付住宅で生活できて、地域の皆さんにもデイサービスを利用していただいて、『ゴールドエイジ』はもう完全に『デンマーク型』を実現していると言うことが、今回の視察ではっきり分かりました。今まで8年間だいぶ苦労はしましたが、このやり方でこの介護をしてて良かったなーと実感しています。 さて今回の視察で私が勉強したことはたった2つだけです。それは
(1)『ベッドイズバッド』(2)『手を後に組んで看守る』です。 まず
ベッドイズバッドは、介護においてベッドに寝させておくことは良いことではない、と言うデンマークの信念念を見ました。高齢者はできる限りベッドから離れて活動していただく。私か反省したことは、建物の設計と建築でした。リビングにテレビと雑誌は当たり前で、これからは喫茶スペース、パソコン教室、ヨガ教育、ガーデニング、植栽、屋内外のテラス、喫煙室、ゲームコーナーが必要ですね。 次に
後で手を組むは、高齢者の『残存能力』を引き出す努力ですね。ヘルパーが手を出せば早く終りますが、あえてやらない。できる限りの自立を肋けるのがデンマークのヘルパーさんでした。頭が下がる思いでした。 何時間も何時間も施設長やナースやヘルパーさんと議論できたことが今回の一番の収穫でした。私は近い内にまたデンマークヘ行きたい。デンマークから学びたいと考えています。