若者の貧困、賃貸活用で解決


各党の住宅政策に関心が集まっている。
3月に閣議決定した「住生活基本計画」(以下、住計画)では貧困に苦しむ若者の住まい確保について賃貸住宅を活用する検討案があることを明記されたが、具体的な施策は明らかにされていない。

「家賃負担を下げろ!住宅保障に税金を使うべきだ!」

12日、新宿では若者が集まり家賃補助を訴えるデモを行い、周囲の人に貧窮する若者の現状を声高に叫んだ。
主催者によれば、夏の参院選に向けて住宅政策の提言を投げかける狙いがあるという。

3月に閣議決定された住計画の実施に向けた取り組みに焦点が集まっている。
同計画で定められた指針は3点ある。
1つ目は若者・高齢者に向けた住宅セーフティネットを強化することだ。
2つ目は空き家を活用して、住宅のストックを活性化させること。
3つ目は住生活産業を20兆市場にすることである。

住計画は住生活基本法に基づき、今後10年の住宅政策の指針を示したものだ。
今年3月の改定ではセーフティネットの強化について賃貸住宅を活用する方針を明らかにしているが、未だ具体的な施策が明らかにされていない。

若者の貧困は年々深刻化している。
国交省の調査によれば17歳以下の貧困率は平成24年度で54%に達しており、親からの仕送り額も減少傾向にある。

地方自治体では独自に家賃補助制度を実施しているが、金額は少ないものが多い。
新宿区では学生・単身勤労者向けで最長3年、月額1万円となっている。

デモを主催した佐藤和宏さんは「住む部屋を失い、ネットカフェ難民になった若者も少なくないと聞く。日銭を稼いでもすべて寝泊まりの費用に消え、生きがいを失っている。国による支援が必要です」と語気を強める。


野党4党「家賃補助制度は必要」


住まいの貧困に取り組むネットワーク(住まい:東京都新宿区)は今年4月に各政党に対して住宅政策に関するアンケート調査を実施し、その回答を14日に発表した。
結果によれば、住生活基本計画にある「若者や子育て世帯、高齢者が安心して暮らすことができる住生活の確保」の実現に向けて、家賃補助制度の導入を必要とすべきとする政党がほとんどを占めることがわかった。

それぞれのアンケートは自民党、公明党、おおさか維新の会、民進党、日本共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちへと実施した。
そのうち、いずれかのアンケートに回答したのはおおさか維新の会、民進党、日本共産党、社民党、生活の党の5党。
維新の会を除く4党が家賃補助制度について「必要である」と回答した。

未回答となった自民党だが、14日現在で党HPに掲載する政策パンフレットでは、住宅基本計画の実現に向けて「子育て世代に対する安価な住宅の供給や三世代同居・近居を推進する」と明記した。
党本部は家賃補助など具体的な政策についてマニフェストに盛り込むか、具体的な回答を避けた。





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