(image)  先日、外資系の保険会社に勤めるビジネスマンから、私と話をしたいと申し出がありました。彼も土地活用のため賃貸住宅を建てようと考えているそうです。 情報収集のために有名なプレハブメーカーやアパート会社をすべて回って話を聞いているのですが、「これだ!」という決め手がないそうです。 「どこで話を聞いても、コンクリートは難しいと言っていました。予算面で考えたらプレハブや鉄骨のほうが、コンクリートよりも断然安く上がると。コンクリートは高い家賃のとれる都心部でないと採算が取れないと言うんです」 彼の言葉に、私は即座に答えました。 「当社の物件は都心でなくても建てていますよ」 「それで採算は取れるんですか? コストが高ければ家賃を相当高く設定しなければなりませんよね。地方では難しいんじゃないですか?」 彼は、コンクリート造の賃貸住宅建築に関してすっかり疑心暗鬼になっているようです。 年間に何回もの海外出張をこなすこのエリートビジネスマンに、私はコンクリート建築の「マル秘」のお話をしました。これは日本では全く非常識と思われることでしたが、この賢いビジネスマンはすぐに理解できたようです。 それはすべての建築工法の中でコンクリートが一番安く建築できるということ。簡単に言うと、コンクリートとは、ベニアで囲った中に水と砂とセメントを鉄の棒を芯にして流し込んでかためた建物です。 さて、この中に何か1つでも高価なものがあるでしょうか。 ベニアは天然の木製ですから資源としては大切ですが、何回も何回も使ってすぐに捨てるものではありません。それに木と言っても柱や床板などと比べて木製の中では一番安いものです。次に鉄の棒も大切な生産資源ですが、軽量鉄骨材や重量鉄骨材のC型鋼やH型鋼と比べても比較にならないほど安い材料です。日本経済新聞などに毎日9mmの鉄の丸棒の価格が出ているので原価はすぐに分かります。鉄の中で一番安いのです。あとは水と砂ですが原則ダダで運搬のトラック代と採掘費用だけです。 そしてセメントですが良質の石灰岩が日本では大量に採れるので、けっして高価なものではありません。私はID年間コンクリートマンションを作ってきて、鉄骨よりも、木造よりもコンクリートが一番に安くできることに確信をもっています。 しかし、どうして私以外はコンクリートが一番安いと言わないのでしょうか。 2つの理由をお話します。 1つ目の理由は、いくら材料費が安くても、工事の手間や職人さんの費用がかかるからです。そこで料金がはねあがります。しかし、高くなっていた建築費を私は安くすることが出来ました。建築費は材料原価と施工費と会社の経費の合計で決まるのですが、まず会社の経費は大企業と比べて中小企業は半分か3分の1です。次に施工費ですが、あまり詳しく説明するとこれだけでI冊の本になってしまいますので一口で言うと、年間発注の施工量を決めて、職人さん達に一年間の仕事を約束しています。これで職人さん達はムダなく一年間仕事が出来ます。 日本の建築費が高いのはムダ・ムリ・ムラがありすぎて効率が悪すぎること。これさえなくせば施工費は安くても職人さん達は十分に利益が出ます。その代わり当社では年間30棟以上のコンクリートマンションの工事はできません。ムリとムラは厳禁なのです。安定した仕事量で一般的には高価と言われたコンクリートの施工費を下げることに成功しました。 2つ目の理由はすでにお話した、工期の問題です。本当は大手メーカーもコンクリートをつくりたいと思っています。プレハブや鉄骨よりもコンクリートの方が頑丈なのは明白ですから。 ところが、コンクリートにすると工期が長くなります。 コンクリートが化学反応で固くなるのに3週間以上かかります。その間は次の仕事ができないのでプレハブや鉄骨アパートの3倍近い工期がかかります。少なくとも半年以上かかる工事になるので、効率を考えると非常に悪いのです。一方で、プレハブアパートはほんの2、3ケ月で完成します。同じ1億の物件だとしても、工期が3倍から4倍も違うのです。 前章でも言ったとおり、恐らく大手メーカーがコンクリートに切り替えたら3ケ月でつぶれるでしょう。年間6000棟も販売している大手メーカーは、工期が3倍になると売り上げが3分の1に落ちてしまうからです。そういう理由で大手メーカーはコンクリートを避けているのです。 時間がかかればかかるほど会社の経費が膨大な大手アパート会社は価格が高くなるのと、やはり大量生産が出来ないので大量販売ができないという理由でコンクリートはできません。当社のような中小企業は、大量販売をする必要もないので、丈夫で安いコンクリートマンションを、時間をかけてゆっくり建築すればいいというのが2つ目の本当の理由です。 ……と、ここまでの話は彼も即座に理解してくれました。 「でも、コンクリートにすると、壊すときに建てるときと同じぐらい費用がかかるといいますよね。自分は壊すつもりはないけれど、子供が将来大きくなってアパートなんかやりたくないと思ったら、壊せないと困ります」 コンクリートは50年も100年も持つ素材なので、壊すことなど考えなくていいと思いますが、これもコンクリートが誤解を受けている点です。昔はコンクリートの建物を壊すときは、大きな鉄のボールを建物にぶつけていました。これは、コンクリートがそれだけ頑丈だという証明でもあるのですが。 しかし、今はそんなことはしません。鉄筋コンクリートを大型の機械の爪の部分で切っていき、バラバラにした後、鉄筋は古鉄屋さんに、コンクリートは砕石にして道路に再利用されます。捨てるところのない、リサイクルできる素材なのです。技術の進歩により、壊すときに目が飛び出るほど高額な費用などかかりません。万が一壊すことになっても、そのときにはさらに技術が進歩して、木造や鉄筋と同じく安く効率的に壊せるでしょう。 このビジネスマンは私の話をすべて理解してくれました。翌日、彼から「コンクリートで建てることに決めました」とメールが来ました。当社を選んでもらったわけではありませんが、コンクリートのよささえ分かってもらえれば、それで私は満足です。 現在、三重県ではプレハブや鉄骨や木造の住宅や賃貸住宅の営業マンは500人ほどいますが、コンクリートの営業マンは当社も入れて約20名しかいません。コンクリートのよさを話せる営業マンが、20名しかいないのです。 また、人口30万人の四日市市では、年間に約200棟のアパートやマンションが建っていますが、そのうちコンクリートの賃貸住宅は30棟しかありません。コンクリートの物件を扱っている業者が少ないということと、工期がかかるので量産できないという理由からです。しかし、その30数棟は常に満室です。建築段階で予約がいっぱいになるケースもあります。やはり入居者は、少しでもまともな住まいを得たいと必死なのです。 500名対20名の戦いはこれからも続きますが、一人でも多くの地主さんやオーナーさんが将来泣き寝入りしないよう、賃貸住宅に住まれる入居者の皆さんが快適な生活ができるように、これからも声を大にして業界の現状を訴えていきたいと思います。
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