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立ち上がる野伏 実録!俺と宅建試験 ~ エピソード・2 ~

渡辺よしゆき 立ち上がる野伏 実録!俺と宅建試験 ~ エピソード・2 ~

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このブログを、宅地建物取引士いわゆる「宅建士」を志し、
その資格試験に挑戦する全ての挑戦者に捧げたいと思う。
 
  
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俺はやる!宅建試験を粉砕骨折させる!

 

 

 

 

 

確かに私は、宅建資格を軽視していたように思う。

 

それまでに接した宅建士の印象が「士」というには余りにも胡乱で、

ただ単にそれは宅建業法における、

 

宅建業者の事務所で働く5人に1人は宅建士を置かなければいけない。というルール

 

をクリアするためだけの存在であり、それ以上の意味も意義も無い存在。

と思わざるを得ないことが少なからずあったからだ。

 

 

 

少しむかし。

 

 

あるとき、個人的に物件を購入しようと最大手不動産会社の宅建士(当時は取引主任者だったが便宜上宅建士に統一)から物件の説明を受ける。

というタイミングがあった。

 

まだそれは重説に入る前の、本当にあたりをつける程度の話し合いだったのだが、その席で元付の最大手不動産会社の宅建士が物件を指し

「鉄骨造り」

と繰り返し俺に説明していた。

そのとき、俺が何の気なしに

 

 

 

「鉄骨造りという事は重鉄ですよね?見たところALCにタイル貼りだと思いますが、目地をキチンと切ってますかね?」

 

 

 

と質問をした。

 

すると、首から宅建士証をぶら下げた若い宅建士は、その隣に座る上司に対して

 

 

 

「ALC?ALCってなんのことっすかね???

(*'ω'*)

 

 

と、恥ずかしげもなく確認をしたのだ。

慌てた上司はその宅建士の太もも辺りを小突き

 

 

 

バカっ!外壁のことだ!」

(;´・ω・)

 

 

と注意をしつつ気恥ずかしそうに俺を一瞥し、あとは自らが身を乗り出し主に物件の説明をし始めた。

 

 

 


え?マヂなの?

宅建士ってこの程度なの?

ALCも知らないで受かる試験なんだwww

( ´艸`)ヘェェェェ~

 

 

純粋な意味で、当時はまだ素人であった俺ですら、ALCが何なのかくらいは知っていた。

当たり前だ。

 

 

 

自分の扱う商品を知らないで、商売が出来るか!

 

 

 

俺は侮蔑を込めてその若い宅建士を見つめた。

 

また他方では、私の周りには宅建士資格が無くとも唸るように稼ぐ「不動産屋」が数多くいた。

 

その彼らは

 

 

 

「宅建なんて持っていても売り上げには繋がらないよ」

 

 

 

と、口にこそ出しはしないが、宅建試験などどこ吹く風。

己の実力のみを頼りに確実に売り上げを積み上げていた。

 

こうした事から、もしかしたら俺の中で

 

 

 

「宅建士なんて飾りだ。実力には関係無い」

 

 

 

という、少し捻じ曲がったイメージと思考が、俺に植え付いてしまったのかも知れない。

 

しかしその宅建士になろうと苛烈に勉強をしたのだが、たった1点が足りずに俺は敗れ去ったのだ。

 

 

 

もう、俺の人生に宅建試験は関係ない。

資格者が傍に居ればそれで良い。

 

 

 

と思えてしまったのも、いま振り返ると無理からぬ事と思えてくる。

 

ともかくも平成28年の俺は「宅建士」を無視し続けた。

 

 

 

それは毎日が、朗らかだった。

仕事もそれなりに順調。

家族との時間も積極的に増やした。

 

 

 

もう、俺の人生に宅建試験は関係ない。

資格者が傍に居ればそれで良い。

 

本当に、心の底からそうやって思っていた。

 

年が明け平成29年、今年。

 

 

 

相変わらず忙しかった。

年明け早々に大きな売買も決まり、絶好調。

本当に宅建士のことなど、何とも思っていない。

実力には全く関係無い。

売り上げをあげた奴がキングだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宅建士の資格など俺にはいらぬ。

そう、オレには不要なんだよ!

宅建士の資格なんて!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・と、オレはオレ自身、自分を欺いていた。

 

「平成27年宅建士の乱」に敗れ、敗走した俺は自分を取り戻すことなく、28年は野伏として身を窶し敗走を続けていたのだ。

 

 

 

野伏。

 

 

 

そう、宅建士の資格が無いものは、所詮は野伏。

実力はあるかも知れないが、結局は日陰者として野に伏せるしかないのだ。

 

 

 

例えば、お客様と商談をする。

俺は不動産に関し熱っぽく、延々と滔々と理路整然話し続ける。

それにお客様は深く頷き納得され、感謝さえされる。

 

 

 

 

「いや本当にありがとう御座います。分かりやすかったです。しかし、不動産て難しいですよね~!宅建試験ってさぞや難しかったでしょう?」

(^◇^)

 

 

 

 

 

自らの理解不能な世界をあっさりと説明してみせた目の前の野伏に対して、お客様はなんら疑いも無く(サムライ)と思い込み、それを前提で話をされるのだ。

 

 

 

 

は、ははは・・・難しい。ですよねぇぇぇぇ・・・」

(;´∀`)ヘハハハハ・・・

 

 

 

 

 

 

薄氷を踏む思いを何度も味わった。

そして野伏である以上は永遠と、これを味わうのだ。

 

 

 

 

また取引先での打ち合わせでは、当然に宅建士が居て、仕事のことを話し合う。

 

 

 

「・・・で、よしゆき社長、例のアパートの件なんですけど」

 

 

 

「え??例のアパート???例のって、どれだっけ???」

 

 

 

「えーと・・・すみません・・・この漢字、なんて読むんでしたっけ・・・」

 

 

 

「え?これ???ふつうに芙蓉ですけど。ふ・よ・う

(;´・ω・)ヘッ?マヂナノ?

 

 

 

若い宅建士だと漢字が読めない。

 

 

 

 

 

バッカだな~!宅建士だったら読めない漢字くらい事前に調べておけよ!(宅建関係無し)

 

 

 

と嘲笑交じりに彼を見返すのだが。

 

それでも厳然たる事実として彼はサムライで、俺は野伏なのだ。

首から下げた宅建士証がチラリと見えると、その瞬間猛烈に俺の中で羨望が湧く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あと1点取れていたら・・・

 

 

 

 

 

 

 

過去の亡霊が頭をもたげる。

 

これはなにも取引先だけではない。

移動の電車の中でさえ首から宅建士証を下げた人がいると、ぼやっと無言で見つめている。

 

もしかしたらそれは、単なる社員証なのかも知れない。

しかし、当時の俺は、首から何かを下げている人を見かければ自分でも気づかぬうちに羨望していたのだ。

 

 

 

 

あと1点・・・

あと1点取れていたら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

首からアレを下げていたのは奴じゃなくて、オレだったはずなのに・・・

(たぶん何かが全て間違っている)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(image)

※画像は野伏の勝手なイメージです

おい貴様!

その刀を、俺によこせぇぇぇぇぇ~!(ビョーキ)

 

 

 

 

 

毒。

 

それは潜在意識に盛り込まれた、一服の毒。

 

 

 

 

 

柄にも無く苛烈に繰り返した勉強

無駄にした家族との時間

子供たちの想い

父親としての尊厳

 

 

 

 

そして、たった1点足らずで宅建に負けたという事実に対する、逃げようもない後悔・・・

 

これらがぐるぐると混ざり合いつつ毒として体内に残り、それは気付かぬうちに心の奥底をチリチリと燻り、焼き続けていたのだ。

俺はそれを、ようやくと認識した。

 

 

 

すると途端に、それが弾けた!

 

 

 

 

 

 

「社長、今年はどうするんですが?宅建。受けないんですか?」

(^◇^)

 

 

 

 

 

 

そのとき、途端にそれが弾けたのだ!

 

 

 

 

「宅建?おおっ?受けるよ!上等だ!受けるよ!受けるからにゃー合格するだけじゃ足りねーなー!おお!グチャグチャにしてやるよ!俺は宅建を、グチャグチャに粉砕骨折させたるわ!」

(# ゚Д゚)

 

 

 

 

「えっ!?はぁ?意味わかんないすよ。宅建を粉砕骨折て・・・」

(;´∀`)

「だーかーらー!鼻の差なんかじゃ勝たねーって事だよ!やるからには勝つ!しかも圧倒的に、バッキバキに骨をブチ砕く!宅建をすり潰す!」

( #`ー´)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾けたのは、怒りだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(image)

※画像は私の勝手なイメージです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

色々な感情を俺に植え付けた宅建士試験に対する怒り。

あの敗戦が俺の意識の奥底に毒のように残り、しとしとと屈辱を味あわせられ続けたのだ。

それをハッキリと理解したからこそ、突き上げた怒り。

 

 

 

俺はやる!宅建士試験を粉砕骨折させる!

 

 

気付くとそこには、本当に社長の言っている事の意味が分からないと愛想笑いする、ウチの社員が居た。

 

彼のニヘラ笑いを尻目に俺は、宅建へのぶっちぎりの復讐を誓った!

 

 

時は平成29年6月。

宅建試験まではあと、4ヶ月ほどの時間が残されていた。


エピソード・3 へ続く(ここまで来たら間違いなく)

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