空き家再生の成功例のひとつ、中崎町。
そこの観光公害に関するコラム。

街がにぎやかになることを歓迎する人としない人に分かれるのは当然の話。
商売していない人にとっては、騒がしいだけってことになりますよね。

でもね・・・
人が来るからお店が成り立つ。お店が成り立つから生活が便利。
という効果があることも忘れちゃいけません。

驚いたのは、
「大阪観光局は、外国人客側に困ったことはないか調査しているが、
 受け入れる地元側に尋ねたことはない。」・・・_| ̄|○

これやな、全ての原因は。

たとえ、自分の意見が100%通らなかったとしても、
ちゃんと話を聞いてもらえれば怒りのボルテージは下がるはず。

早急に取り組んでほしいですね。


【大阪の下町が悲鳴 インバウンド急増が生む観光公害】

 訪日外国人(インバウンド)で活況を呈する大阪の都心部。「爆買い」に象徴される一時の喧噪(けんそう)も落ち着きを見せ、最近はキタやミナミといった繁華街からは少し離れた、“ウラ感”のあるスポットにも注目が集まっている。一昔前の下町の雰囲気を今にとどめる大阪市北区の中崎地区もその一つで、外国人に人気のエリアとなっているが、古くからの住民は急速な観光地化に困惑。撮影トラブルやごみの放置などが問題になっているという。(井上浩平)

 ■昭和レトロ

 「目の前の道が『カフェ通り』だと、外国人観光客から教えられた。何十年も住んでいるのに知らなかった」。中崎地区で駄菓子店を営む男性(89)が戸惑い気味に打ち明ける。

 大阪メトロ中崎町駅周辺の同地区は繁華街の梅田から徒歩で10分ほどの距離。先の大戦でも大きな被害を免れ、都心部にありながら昔ながらの民家や長屋がひしめいている。路地の入り組んだ街並みは昭和の薫りを漂わせ、「昭和レトロ」の看板を掲げる店もある。

 地元住人らによると、2000年代に入ってから、若者らが空き家を改装し、おしゃれなカフェや雑貨店を開くようになった。長屋の合間にこうした店舗が存在することで、この街特有の景観が生まれ、知る人ぞ知る“ウラ感”が醸し出されることになった。

 こうした雰囲気は旅慣れた外国人の注目を集め、中国人観光客による爆買いも下火になった2、3年前からは、来訪者が急増するようになったという。

 カナダから観光に来た大学生のビクトリア・タムさん(21)は「かわいい雰囲気で、すてきな街。初めての銭湯体験も楽しかった」と満足そうだった。

 ■注意も通じず…

 一方で外国人の増加に伴い、住民らとの摩擦も生じるようになった。

 地元の70代主婦は「玄関前で三脚を立て、写真を撮っている外国人がいた。狭い通りだから『邪魔やで』と声を掛けたけど、言葉が通じんから、知らん顔だった」と苦々しげに話す。

 住宅や店舗の内部に無断でカメラを向けたり、ランドセル姿が珍しいのか、小学生を撮影しようとしたりすることも。地元では「写真を撮らないで」と英語、中国語、韓国語で記した注意書きを作成し、配慮を呼び掛けるようになった。

 またキャリーケースを引いた外国人客が公園に集まって大声で騒いだり、テークアウトした飲料のごみが散乱したりといったトラブルも発生。ごみの回収も追いつかなくなり、ごみ箱を撤去する対応を取ったという。

 ■行政フォローを

 ただ、こうした外国人のおかげで地元経済が潤っているのは間違いのない事実。古民家でカフェを営む40代男性は「うちのお客さんは半数以上が外国人。店内の撮影も好きにしてもらっているし、困っていることは何もない」と強調する。

 中崎西一振興町会の渡部有文会長(78)は「町がにぎやかになっていいという人もいれば、迷惑だという人もいる。厳しい対策を取れば観光客が来なくなる」と頭を悩ませる。

 インバウンドを推進する大阪観光局は、外国人客側に困ったことはないか調査しているが、受け入れる地元側に尋ねたことはない。同地区について担当者は「喫緊の課題という認識はなかった」と明かす。

 大阪を昨年訪れた外国人客は約1200万人で過去最多を更新した。2025年大阪・関西万博の開催も控え、外国人客はさらに増える見通しだ。

 近畿大経営学部の高橋一夫教授(観光マーケティング)は、観光産業は経済効果や雇用創出などプラス面が多いとする一方、「行政はインバウンドの消費額や満足度を向上させるだけでは不十分だ」として、住民へのフォローの重要性を指摘。「地域へのメリットを分かりやすく示すことで、観光客へのいらだちを和らげる必要がある」と話す。
(6月27日 産経新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190627-00000500-san-soci


土地家屋調査士 大阪 和田清人(image)
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