小田原市での切りつけ事件、原因は・・・
40年前の火災で家を建て直した際の境界トラブル・・・_| ̄|○
話し合いを拒否されたので、刃物を出してしまったという経緯のようです。
注目すべきは、40年間溜まっていたという点。
絶対に風化しないんですよね。
だから、ちゃんとした形で境界確認をやっておくべき。
テレビでは、面白おかしい発言が取り上げられています。
「はみ出た植木を切られたらムカつく。」とか
「はみ出た部分は壊さないと。」など・・・
これでは、越境を認識しているお隣さんはなおさら、
立会いに応じてくれなくなっちゃいますよね。
だから、実務的には、最初に法律上の線である「筆界」を確認します。
その上で、越境物については、現状容認・将来撤去の話し合いをおすすめします。
お互いゴリゴリになることなく、まずは土地家屋調査士にご相談くださいね。
【「1cmでもモメた!」“土地境界線”の法律…塀を越えた枝はダメでも、下から出た根は切れる】
隣人が自分の土地との境界線を越えて家を建てたらどうするか…
3月15日、神奈川県小田原市にある住宅の玄関で、63歳の女性が男に刃物で切りつけられる事件が発生。
殺人未遂の疑いで逮捕されたのは、以前、女性の自宅の隣に住んでいた保田明夫容疑者(69)です。
2人の間に、一体何があったのでしょうか…。
近隣住民:
「土地のことでずっとご近所でもめている」
「土地の境界があいまいになっちゃったところから出発しているみたいですけどね」
近所の人によると、およそ40年前にこの場所で火災があり、今回、被害にあった女性ら周囲の人が家を建て直した際、保田容疑者が「自分の土地が狭くなった」と主張。
女性との間でトラブルになっていたというのです。
<保田容疑者の供述>
「『話すことはない』と言われ、刃物を見せて脅したら相手が騒いだので、気が動転して切りつけてしまった。殺すつもりはなかった」
殺人未遂事件にまで発展した土地の“境界線トラブル”に街の人は…?
女性:
「私も経験あるけど、すっごいモメますよ、たった1センチでも。(Q.相手が1センチ出ていたんですか?)私のとこ…(笑)。言い合いになった。『こんなことあらへん!昔からこうや!』とか…。でも刺すのはあかんよ、絶対ね!」
別の女性:
「植木がはみ出てっていうのは言われたことあります。結構出てて、そらまぁ迷惑やろうみたいな。その木は切ったんですけど。(Q.もし勝手に切られたら?)ムカつきますけどね。悪いなと思いながらも」
男性:
「こんなトラブルな、今日や昨日のことやないんや。俺が若い時からこんな事件あるんや。バブルの時代、土地はどんどん値上がって、小さなことでもめるんやで?(Q.数センチで?)おうよ!それがその時の流れや!」
仮に、隣人が自分の土地との境界線を越えて家を建てたらどうするか…。街の皆さんに伺ってみると…?
女性:
「はみ出た部分はやっぱり取り壊さないといけないんとちゃいます?嫌でしょ?自分の土地やのにね、勝手に建てられたらね」
別の女性:
「え~難しい!はみ出した分をお支払いするとか…。(Q.取り壊せとまでは言えない?)そこは話し合いですよね。相手の方によるかもしれない」
たかが、数センチ…されど、大切な土地。
境界線を巡ってご近所トラブルにならないために知っておきたい法律について、菊地幸夫弁護士が解説します。
菊地弁護士:
「境界線の注意すべき点としては、境には2種類あるということです。まず『筆界』という法務局が管理するもの。こちらは公の公簿に出ている境です。土地は1筆2筆と呼びますので、筆と筆との境で筆界と言います。
もう一つが、住民同士が合意のもとで決める『所有権界』です。こちらは筆界とは別に、例えば土地が接しているAさんとBさんは『ここまでは私の物でいいでしょ?』とお互いにやって構わないんです。自分の所有物ですから。で、その通りに境界を引き直すかどうかは、また別の問題となります」
Q.例えば、「家をこのように建てたいから、こっちをもらう分そっちを譲るね」というような、当事者同士の話し合いということですか?
菊地弁護士:
「そうです。それを筆界にするには『分筆』という手続きをすればいいということになります。口だけですと、後でモメかねませんね」
Q.隣家の塀が境界の杭を越えて自分の土地につくられていたり、隣の土地に生えている木の枝がこちら側に越境していたりする時はどのようにすればいいのでしょう?
菊地弁護士:
「境界を越えて塀をつくるというのは、お隣の所有物である土地の使用を妨害しているわけですね。所有権というのは強力で、妨害が来た時には排除する力があります。ですから『どけて下さい』と言えるということになります。
『それなら境界を動かしちゃえ』ということをすると、境界損壊罪というものがありまして、懲役5年以下あるいは罰金50万円以下ということになりかねません。
そして、境界の塀を越えて伸びてきた木の枝は切れません。『切って下さい』とお願いするだけです。勝手に切ってしまうと違法となりますので気を付けて下さい。ただ、塀の下から伸びて出てきた『根っこ』は切っていいです。
さらにケーススタディとして、隣から伸びてきた枝から落ちたみかんは、勝手にもらってはいけません。というのも、そのみかんは枝からポロっと落ちる時の所有者のものなんです。みかんは枝の一部でしたから、枝の所有者のもの。枝は木の幹にくっついていますから幹の所有者のもの。幹は隣の土地にくっついていますから土地の所有者のものです。こう考えるとみかんは隣家のものと言えます。“落とし物”と同じなんですね」
(関西テレビ3月20日放送『報道ランナー』内「そこが聞きたい!菊地の法律ジャッジより)
(3月24日 関西テレビ)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190324-00010000-kantele-soci土地家屋調査士 大阪 和田清人(image)