昨日、ようやく一つの登記が完了しました。
延々と登記官と協議を続けてきて、ようやく・・・(涙)
私にとっては、気を失いそうになったくらい複雑な案件。
せっかくなのでシェアしますね。
しばらくマニアックな世界にお付き合いくださいませ。(^^;
建物の経緯は以下の通り。
なお、地番や家屋番号は変更してあります。
①大正11年 地主が4戸長屋を建築
(image) この当時、家屋番号は地番と一致させるのではなく通し番号だったんです。
②建物を増築(時期不明)
③昭和28年 各戸を分割、売却
(image) 当時はまだ区分所有法がなかったので、登記は普通建物のまま。
ちなみに、左端の建物登記は、所在:101 家屋番号:156
④昭和37年 区分所有法施行
原則論としては、ここで区分建物に変更登記されるべき。
⑤平成11年 地主が底地を分筆、各建物所有者へ売却。
(image) 本来ならここで、所在と家屋番号の変更登記がされるべきだったのに、
左端の建物は、所在:101 家屋番号:156の普通建物のまま。
⑥平成12年 156-4を切り離し、建替え
(image) 建物は3戸長屋に
⑦平成14年 依頼者の父が156建物、156-2建物、101-5土地を購入
⑧平成25年 依頼者の父が156と156-2の壁を抜いて一体化
(image) ⑨平成29年 相続を機に、合体登記のご依頼
「区分登記をどうする?」「お隣(156-3)も登記してもらわなければ」
「増築部分の所有権証明は?」「そもそも合体の事例が少ないし」・・・とドタバタ。
登記官とも協議を重ねた結果、次のような手順で登記することになりました。
1)所在:101-5,101-6 家屋番号:101-5-1、101-5-2に更正登記
(お隣も同様に更正登記申請)
2)登記官が職権で区分建物に変更
3)床面積更正登記(お隣も)
4)合体登記
正確には「合体による建物の表題登記及び合体前の建物の表題部登記の抹消」
という長い名前になります。(^^;
で、無事に登記と現況とが一致しましたとさ。めでたしめでたし。
(image) 一棟の所在:101-5,101-6 専有部分の家屋番号:101-5-3
でも、改めて思うに、普通建物のままの長屋ってそこらじゅうにありますよね。
今のところ、解体する方が多いから、滅失登記をして終わりなんですけど、
今後、長屋再生が増えてくれば、区分+増築・合体は避けて通れませんよね。
貴重な経験を積ませていただきました。
長屋の登記、ドンと来い!です。(^^;
土地家屋調査士 大阪 和田清人(image)