ターミナル駅から徒歩10分のところマンションの一室に事務所がありました。
太郎さんは早速その税理士の先生の事務所を訪問しました。
事務所はオートロックもない古いマンションのその2階にありました。
「知近会計事務所」と手書きの看板が扉に張り付けてあり、どうやら自宅の一室を事務所として使っている様子でした。
チャイムを押すと知近先生が顔を出しました。「太郎さん、お待ちしていました。僕、最近独立したばかりで太郎さんが最初のお客さんです。しっかりと税務上のサポートをしますので、宜しくお願いします。」
とっても礼儀正しい先生でした。
最初に知近先生から、今後の税金について説明を受けました。
それによると、3月に所得税、5月に固定資産税、6月に住民税を納税しなければいけないことがわかりました。
所得税、住民税はこれから確定申告で納税額が決定するのですが、固都税については概算が出来ます。そこで、先生にお願いして頼んで概算して貰いました。
それによると30万円でした。現在の貯金残高から見ると結構大きな負担になります。「うーん、やっぱりキャバクラやハワイは止めた方が良かったかな。太郎さんは後悔しましたが今や遅すぎます。
先生との面談で太郎さんは今後納めなければならない税金が沢山あるのを知り気が重くなりました。
でも、粕壁さんからは所得税、住民税は減価償却費やローン返済を経費に出来るのでさほど高額にはならず、場合によっては還付を受けられるかも知れないと言われていたので安心していました。
しっかりした先生の様なので太郎さんは早速、顧問契約を結ぶことになりました。顧問料は月々1.5万円、他に確定申告の手数料が10万円です。
あはは、これで節税できるなら安いものだ。太郎さんはすっかり安心した様子です。
知近先生との面談後、太郎さんは本屋に立ち寄り税金の本を買いました。
「すべての領収書は経費で落とせる」という魅力的なタイトルの本でした。
太郎さんは帰宅して読み始めました。
これによると、領収書をきちんととっておけば全て経費になるとの事。
太郎さんは、急いで部屋の中から領収書を掻き集めたのでした。
そんなことを考えているうちに12月も大晦日を迎えました。
太郎さんの貯金残高。
勿論1月には不動産取得税の納税があるので。来月は一気に減ります。