大和郡山市の旧遊郭4棟が取り壊されるそうです。

いずれも明治34年築。
うち1棟(旧山中楼)の状態は比較的良好ですが、
「耐震改修費を捻出できない」・・・_| ̄|○

残せって言うのは簡単だけど、
未来永劫にわたる維持費をどこから賄うかは大事なポイント。

悩ましい問題ですね。

取り急ぎは、今日から開催される「大和な雛まつり」へ出かけて、
その姿を目に焼き付けるべきですね。(^^;


【消える遊郭の町家風情 奈良・大和郡山 老朽化進み3月以降4棟取り壊し】

 奈良県大和郡山市洞泉寺町に残る木造の旧遊郭建築4棟が3月以降、取り壊されることになった。廃業(1958年)後も独特の格子の外観など旧遊郭の風情を伝えてきたが、現在はいずれも空き家で老朽化が進んでいた。歴史的な景観が失われることになり、地元では惜しむ声も出ている。

 洞泉寺町は郡山城下の中心市街地の南東部に位置し、幕末までには遊郭が形成された。町内には現在、市が「町家物語館」として管理しているものを含め、旧遊郭建築が7棟残っている。解体は物語館を主会場に開催される「第9回大和な雛(ひな)まつり」(22日~3月3日)終了後になる。これで残るのは物語館と、少し離れた神社北側の2棟のみとなる。

 取り壊される4棟はいずれも浄慶寺の土地に建っており、寺の記録によると、いずれも1901(明治34)年に建てられた。2階建て、3階建て各2棟で登記上の面積は延べ計約1100平方メートル。廃業後は住宅として長く使われていたが、現在はいずれも空き家。屋根に穴が開くなど損傷や老朽化が進んでいた。寺の関係者によると、所有者から建物の返還手続きが完了しており、解体後、土地は墓地の拡張や駐車場に使う予定という。

 4棟のうち町家物語館に近い3階建て(旧山中楼、延べ約270平方メートル)は約5年前まで人が住んでいたため、建物内部の状態は比較的良好だ。玄関内に「山中樓」と書かれた鏡が残り、欄間などの細やかな意匠や部屋割りは遊郭建築独特のもの。全国で取り組みが進む町家リノベーション(再生)による利活用を望む声もある。

 寺の総代代表の男性(67)は「明治以降の近代化遺産・景観としての価値や利活用を期待する声は重々承知している」としつつ、古い木造3階建てのため利活用には法的に耐震補強が必要だと説明。物語館の耐震改修の際は市が約8000万円かけたことも指摘し、「そんな費用は私たちにはとても捻出できない」と話す。

 一方、旧城下町の歴史的建造物の調査を続ける県建築士会郡山支部の徳本雅代支部長は「地域の歴史的景観が一気に失われ、大和郡山にとって大きな損失」と話す。これまでに4棟のうち3棟の内部を調べ、図面に残すなど後世に伝える活動を続けてきた。「100年以上地域で生き残った歴史的建造物。特徴を生かし、用途を変えた利活用で新しい価値を積み重ねれば、町の魅力を深めることになったが……」と残念がっている。【熊谷仁志】

 ◇洞泉寺町遊郭

 明治期の県内の公認遊郭4カ所の一つ。鉄道網の整備で大阪からの客が増えた大正後半から昭和初期に最盛期を迎えた。ピーク時は施設が17軒並び、女性約200人が働いたが、売春防止法施行で1958年に一斉廃業した。本館が24年建築の旧川本楼(旧川本家住宅、国登録有形文化財)は大和郡山市が99年に買い取り、耐震改修後の2018年1月から「町家物語館」として常時公開している。
(2月19日 毎日新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200219-00000049-mai-soci


土地家屋調査士 和田清人(image)
async




async
アドバイザーをされたい方へ
ログインフォーム
メールアドレス
パスワード
パスワードを忘れてしまいましたか?
土地活用ドットコム